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 SARASA 2009夏号


2009年 夏号

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 公共事業に群がる悪事を許すな! 丹南地域総合公園

 ←丹南地域総合公園完成予想図

これまで二転三転した丹南地域総合公園整備が本格的にスタートすることになった。同公園は越前市余田町、永坂町、片屋町にまたがる愛宕山周辺に、スポーツ・にぎわい・自然とのふれあい・憩いと見晴らし―の4つのゾーンで構成する面積16・4haの総合公園として整備される。
 スポーツゾーンにはメーン施設となる両翼九八b、中堅122bの公認野球場を整備。照明六基を備え、内野席1500人、外野席2000人を収容。バレーボールコート二面が取れる体育館兼管理事務所、ソフトボールや少年サッカー場として使用する多目的グラウンド、屋根付きゲートボールコートも併設する。
 にぎわいゾーンには芝生広場や遊技広場を設置。自然とふれあいゾーンには冒険の森や体験施設、憩いと見晴らしゾーンには展望広場、公園周辺には駐車場を整備する。
 公園整備の進捗状況を5月11日に、越前市建設部都市計画課に聞くと「敷地面積16fの用地買収はほぼ終了し、現在取り付け道路の建設中である。平成26年度には、野球場、多目的グラウンド、体育館、全天候型競技場などの全施設の供用開始を目標にしている。建設完成までは県が負担するが、維持管理は越前市が全額負担と決まっており、施設利用のあり方や利用料金など設備によって変わるので、維持管理費などについてはまだ算出できない段階にある」とのこと。
 県土木部によると年度内に設計完了を予定し、来年度にスポーツゾーンから着工を予定。2014年度の総合完成を目指す。
 総事業費は概算で48億円。このうち、工事費に33億円を見込んでいる。
 同公園が整備される地区の区長とK組、T建設の三人が『丹南地域総合公園推進協議会』というあやしき会を発足させ、県より工事を請け負った業者とその下請け業者より工事代金の2%を「協力金」として受け取る計画を立てた。六社の業者に協議会の領収書を発行し、約800万円を領収した。この件を越前市の行政に精通する北陸新聞社が取材し発覚。同協議会は各業者に返金したとなっているが、領収書を返しただけで金の動きは定かではない。
 推進協議会なるものが存在することを愛宕山周辺の住民は全く知らされず、ましてや協力金なるものを徴収していたことなど知る由もない。もし、このまま悪事が発覚せずに工事が進められると、県が出費する工事代金33億円の2%、6600万円という大金が実態のない推進協議会なるものに支払われることになる。
 5月27日、丹南土木事務所地域整備課、越前武生グループにこの件を正すと「現在、森谷組、ダイシン建設がアクセス道路の整備のため工事に入っている。西廣組は公園の盛土を行っている。地元への協力金について、そのような実態は把握していないし、話しも聞いたことがない。積算の中に安全費を含んでいる。判断は各業者の考え方次第では」との答えが返ってきた。
 協力金と言えども、我々県民の血税から支払われる公金である。県の予算が付き、県から請け負った工事代金はどのように使われようと県は知ったことではないというのか?政治の根幹が腐りきっている。
 地元の対策費名目で業者より献金させる作法が県内各地で行われているのか? 過去の事例に従ったのか? 『公共事業にかかわり懐を肥やす輩は後を絶たず』。これでは、納税者が納得するはずがない。
 高額な工事費に「献金」「協力金」などの名目で賄賂≠ェ含まれていることが慣例化していることを、各土木事務所や県監査部、事業を知る地元議員が知って知らぬ振りをしているのであれば重大な事態だ。もちろん事業の全面停止、請負業者の指名停止は当然であろう。これは、政・財・官の癒着以外何物でもない。これをナアナアにしないで、最後まで追及するか、捜査当局の真価が問われる。(嵯峨)