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 SARASA 2009夏号


2009年 夏号

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 特集 政治を問う 〜西川知事は政策の誤りを認めよ〜

 1953(昭和28)年、総工費約50億円で起債と国庫補助金に依存し、真名川上流に笹生川・雲川の両ダムを建設。県営中島発電所に導水して発電が行われ、57年に完成した。昭和40年には電源開発による400億円の総事業費で長野、湯上両発電所・北陸電力は西勝原第三発電所の完成により昭和43年に発電が開始された。
 福井県は、九頭竜川流域の災害による度重なる反乱によって河川改修、ダム建設、トンネル工事など人力による手作業から機械化も進め、労働管理や工期短縮、測量の技術を高めて経験を踏まえ、飛島組(飛島建設)が先導となり、熊谷組、酒井組、前田建設等、日本を代表するゼネコンが育った。
←JR北陸線高架橋工事

 そのおかげで福井大学の土木、工学部などのレベルも向上し、多くの卒業生を全国の土木建設業界に輩出することが可能になり、また地場産業としての雇用の創出と経済波及効果にも貢献した。
 歴史のある福井県内土木建設業は、公共事業の削減と低価格入札で停滞の一途を辿っている。
 特別な産業の少ない福井県は、土木先進県として技術力のアップ、工期の短縮、ロボット工学など先端技術を取り入れ、土木・建設業を全国一の地場産業として育成する必要があった。  
 雇用と産業に活力を生ませ、福井県の経済力アップに努めるどころか、全国に先駆け、平成18年5月から県発注工事を従来の5億円以上であったものを7000万円以上の工事を一般競争入札とした。
←昭和52年10月総工費352億円をかけ完成した真名川ダム竣工式

 その後250万円まで引き下げられ、原価を切った入札競争が繰り広げられ過当競争が進み、多くの下請を大事にし、技術本位、優良工事を行う優秀な企業は価格競争についていけず、下請業者に支払を延ばし、請負価格を仕切られ時には採算にあわない仕事も資金繰りのために長時間勤務を強いられる。
 また、北陸農政局のパイプラインに関わる業者間の談合が発覚し、県内大手業者であった兼井組、道端組、石黒建設、木原建設、前川組などに農政局は六ヶ月の指名停止であったが、福井県は業者イジメとも言える一年間の指名停止とし、下請関連企業も含め大きな打撃を被った。
 公共事業の削減だからこそ、適正な利益の得られる価格で入札できるよう福井県の地場産業の育成のためにも対策を打って欲しかったものだ。今さら最低価格を引き上げられても資金繰りで苦しみ、事業を辞めたり、倒産に追い込まれた会社と従業員は恨みだけが残り助からない。
 県内土木建設業者の多面的な業務の転換も進め、貸付けただけでなく補助金などを交付するなど強力な政策はなく、ただ資金繰り悪化による廃業と倒産など地盤沈下を招き、金融機関の貸倒れが増えた土木建設業者への、貸しはがしと保証協会の代位弁済の急増につながった。
 今後は、国による北陸新幹線など大型公共事業は、東京で予算を獲得した国会議員と官僚による仕切りで、工事を落札する大手ゼネコン業者には福井県の負担する金額に相当する工事を技術取得と業界の基盤育成のためにも地元業者にさせないと、地方負担である県・市・町の金は出せないと言える福井県知事であって欲しい。
 例えば、北陸新幹線に県費の地元負担金が3000億円払うのであれば、地元業者に充分利益も見込めるような金額の工事を発注しないなら一円の金も行政は出せない、どうぞご勝手にといえる強い姿勢で臨んでいただきたい。